運営方針

運営方針

研究室の理念的目標

当研究室では以下の2つの目標をもって、様々な活動を行う。

  1. 地球環境問題を中心として、良質の研究成果を輩出し、世の中の役に立つ。
  2. いずれの分野に進んだとしても国際的にトップを目指し、リーダーとして活躍できる人材を輩出する。独創的な問題設定、問題や事象の適切な把握とそこへ向けたアプローチの選定、効果的な結論の導出までを完遂できる基礎を身に着けることを目標とする。

研究室の教育方針

当研究室では、卒業時に企業や官庁へ就職した時に基本的な統計処理や論理的思考方法などを身に着け世界で活躍できる人材を輩出することも目標にします。 さらに、博士課程へ進学する人には、博士課程3年を終えた後に、研究者として一人で生きていける状態になっているということを目標にします。

学士・修士課程で必要な事

学士・修士課程では博士課程で本格的な研究ができる準備を整えます。従って学士論文、修士論文の執筆を通じて、以下の基礎的な事項ができるようになっているような教育を実施します。

  • 論理的思考
  • 論理的な文章執筆能力
  • 科学的な情報処理、及びデータの解析や結論の演繹方法の習得
  • シミュレーションモデルの理解と実験の実施

そして、修士課程を卒業する前に英語論文を執筆して修了することを目標にしましょう。修士論文は多くの場合誰の目にもとどまらずひっそりと保管されて終わることが多いですが、英語論文として世に送り出せた場合は、それは科学的な知識の創出となり、後世に必ず役立つはずです。是非その段階まで研究を昇華させましょう。

また、研究とは少し異なる観点になりますが、以下についてもできるだけ習得してください。

  • 組織の中でどのようにふるまうべきか、という点についても一定の経験と見識を持ってほしい(「組織としての研究室」参照)
  • 昨今のIT技術の進歩にもできるだけ追いついていくために、積極的に新しいITツールを活用する

テーマ設定

テーマは基本的に、学生と教員が相談して決めます。その際、個々人の好みや適性、その時の時流に乗っている研究テーマなど様々なことを考慮します。また、大きな研究のテーマは最初に決まるものの、最終的な目標地点、採用する手法などは研究を実施しながら、その進展に応じて決まっていきます。もしかしたら、途中で大きく変わる可能性もあることを念頭に置いておいてください。また、学部から研究室配属された場合、修士課程では卒業論文の延長となる研究テーマになる可能性が高いですが、その限りではありません。これは修士課程から博士課程に進む場合も同様です。

組織としての研究室

社会には様々な組織体がありますが、研究室というのもまた一つの組織です。そして、組織を動かしていくのはそこに属する人です。その組織が良くなるか悪くなるかは所属している人次第です。そこで、以下について是非考えてください。

  • 研究室という組織の中で自分に与えられた役割を認識、あるいは積極的に自分の役割を付与、研究室の目標に向けて貢献する
  • 学年によってその役割が変わる
  • ゼミの所属によって変わる
  • 同じ学年内でも研究でリードする人、人と人のコミュニケーションをつなぐ人などがいるはずです

また組織には当研究室もそうであるように多くの場合歴史[2]があります。そこには、先人たちが残したモノや知恵もあれば、文化もあります。それらを私たちは継承しつつ次の世代へバトンを託していきます。なので、以下のことを実施してください。

  • 過去の先輩たちの方法ややり方などの良い面を取り入れ、それをさらに進化させる
  • 研究室で得られたノウハウを次の世代へ伝えていく

年間スケジュール

4回生で研究室配属された場合

B4期間
4月 初回ゼミ・歓迎会・論文レビュー
5~6月 研究テーマの仮決定、プログラムゼミ
7~8月 研究の実施、中間報告書の作成
9月 中間報告会、中間報告書の提出
10~1月 研究実施と論文執筆を同時並行
12月 卒論最終報告会
1月下旬 卒論タイトル提出期限・卒論内部提出・卒論発表練習会
2月 卒論提出・卒論公聴会
2~3月末 国内学会論文の執筆及び提出(環境システム学会、地球環境シンポジウムなど)
M1期間
前期 卒業に必要な単位を取得する
修士論文に向けた方向性、テーマの選定、卒論をさらに進めるなどの作業
秋頃 学会で発表
12月 修論中間報告会
1~3月 国内学会論文の執筆及び提出(環境システム学会、地球環境シンポジウムなど)
M2期間
4-7月 研究
9月 中間報告会、中間報告書の提出
12月 修論最終報告会
1月 修士論文提出
2月 修論公聴会
3月 国内学会論文の執筆及び提出(環境システム学会、地球環境シンポジウムなど)
後輩へ引継ぎ

修士から配属された場合

M1期間
5~6月 研究テーマの決定
7~12月 研究を実施
12月下旬 修論中間報告会(最終結果前の状態で論文のおおよその構成を決定)
2月~3月末 国内学会論文の執筆及び提出(環境システム学会、地球環境シンポジウムなど)
M1期間

4回生で研究室配属された場合と同じ

博士課程

明確なスケジュールはなし。
3年間で英語論文を2本執筆。あわせて国内学会論文も積極的に執筆

博士取得に必要な事

現在(2018年)の日本という環境で博士課程を修了した研究者が少なくとも身に着けておくべき能力を以下のように考えています。
「自分の置かれた分野の専門誌で着実に年間1,2本の論文を生産できる」
これが最低限必要なことです。このためには必要なことは以下に集約されます。

  • 当該分野の既存研究について適切な知識を持ち、体系化できている
  • 当該分野の最先端研究が何であるか認識している
  • 実際の研究を実施できる
  • モデリングの道具を開発あるいは使いこなすことができる
  • データの解析に関する知識を有し、分析ツールを使いこなすことができる
  • 成果を論文としてまとめることができる
  • 得られた結論、主張に対する反論に対して反論をして、自分の主張を適切な形で正当化できる

さらに単に生き残っていけるだけでなく、博士課程を修了した5年後には世界でトップの一人として活躍できるように以下の能力も習得できるように並行して努力しましょう。

  • 研究について議論をして、自分の意見を主張できる
  • 他分野の人にも自分のやっていることを説明できるようになる
  • 英語での円滑なコミュニケーションができる
  • Nature、Scienceなどの学際的トップジャーナルで論文を出版する

どの業界でも最初の3年で10000時間を投入してやれるかどうかが一人前になるための勝負所だということをどこかの本で読んだ記憶があります。これを最低限の目安として研究に没頭してください。これには3つの意味があります。

  • 学習曲線は通常対数関数のような形をしており、とりわけ新しくことを始めるときには多くのことを吸収できます。この大事な時期に多くのインプットをすることは様々な能力が飛躍的に進歩する可能性があり、価値が高いです。
  • 博士課程を終えると研究とは異なる所謂「研究以外の業務」もしなくてはいけない立場になる可能性もあります。その時に限られた時間の中で研究者として生き残るためには博士課程できちんとした研究基盤ができているかどうかがかなり重要な条件となります。そして、研究を純粋に楽しめるのも実は最初で最後になる可能性があります。
  • 言い訳を排除して自分の能力や情熱の限界を知ってください。それによってもしかしたらあなたは実はその分野で世界最先端になれないことに早い段階で気づくかもしれません。でもそれは決して悪いことではありません。人生は長く様々な選択肢があります。

現在の研究者やアカデミック業界の置かれている状況では研究の能力・研究に対する情熱の両方が一定条件を超えない場合、博士課程への進学を勧めません。現研究の能力・研究に対する情熱の両方が一定条件を超えない場合、博士課程への進学を勧めません。逆にそれらを満たせそうな人に対してはある段階で個人的に博士課程進学を勧めるかもしれません。しかし自分の人生ですので最終的な判断は皆さん自身でしてください。

当研究室へ入ることを検討している方へ

当研究室に興味のある方は是非見学に来てください。
事前にご連絡いただけたら、日程を調整するなど対応をさせていただきます。
大学院からの入学を考えている方も大歓迎です。

ご連絡はこちら

長谷川知子: thase(a)fc.ritsumei.ac.jp
※(a)を@に変えて送ってください。

コース配属をこれから迎える学部生へ(多くの場合は環境都市工学科の学生を想定しています)

コース配属を決める際には、卒論、修論としてどのような研究をするか、就職先としてどのようなところを想定するかなどを考えると思います。研究内容や就職先の可能性などで聞きたいことがある人は以下にコンタクトをとってください。日程調整等をできる限りして、ご相談に乗りたいと思います。本研究室は環境コースの中でも比較的新しく伝統的な環境コースとは異なり、エネルギーシステム、経済学、気象学など様々な分野を跨いだ研究も遂行されていますので、環境コースというくくりとはまた違った視点での情報も提供できる可能性があるかと思います。

研究室配属をこれから迎える環境都市工学科3・4回生および立命館大学理工学部環境都市工学科以外から修士課程(博士課程前期)で当研究室へ入ることを検討している方へ

研究室配属を決めるにあたって、研究の内容、研究室の運営体制(コアタイムの有無、ゼミの頻度など)、就職先などは重要な情報になると思います。また、学部4回生、大学院の時間の多くを研究室で過ごすことから研究室の雰囲気が気質に合うかどうかなども判断材料になると思います。教員、学生それぞれ話を聞きたい場合は上の連絡先に連絡をください。日程を調整してご相談に乗りたいと思います。本研究室はプログラミングによるシミュレーション及びその結果の解析を研究手法としているため、プログラミングに対して抵抗感のある人にはあまりお勧めできません。

立命館大学以外から修士課程への進学を検討している人は以下を上記の連絡先まで送ってください。

  1. 履歴書
  2. これまでの研究
  3. 修士課程に進んだ後にやりたい研究
  4. 志望動機

当研究室以外の所属から博士課程(博士課程後期)で当研究室へ入ることを検討している方へ

学位を取得することを目指す場合、当人の研究の興味、適正と本研究室でできる指導等を熟慮したうえで当研究室への進学がよいかを検討したいと思います。入学試験を受ける前に必ず下記へ連絡して、相談をしていただきたいと思います。必ずしも対面である必要はありませんので、地理的な制約があればSkypeを用いることも検討します。

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